CEToM | トカラ語とトカラ人
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中国を西洋と繋ぐ諸交易路として通商だけでなく、言語や文化の交流にも肝要であった有名なシルクロード。多数の中央アジアの文明と同様に、トカラ語のA方言とB方言は西暦の第一千年紀半ば頃における仏教の普及と共に文学の言語として盛ってきました。
北西中国タリム盆地(現在の新疆ウイグル自治区)の北端に位置する亀茲(クチャ)やトルファンで使われていたものの、トカラ語の両方言は中国語系統とは関係がありません。トカラ語はむしろ、ラテン語と古典ギリシャ語、サンスクリット語などの古代言語、そして英語やスペイン語の現代語も含むいわゆるインド・ヨーロッパ語族の独立した語派です。
第一千年紀末にかけて、トカラ語が滅亡してしまい、タクラマカ砂漠の乾燥した気候のおかげで千年間を超えて保存された文書のみに残っています。これらの文書は、19世紀末以来行われてきた探検隊で発見され、中国、日本、ヨーロッパなどの博物館に移されました。何千冊のその稿本の解読を通して、トカラ語の話者の文明への貴重な洞察を得ることができます。世俗文書からは日常生活に関する情報が得られる一方、仏教文書は高度に発達した文学と科学の証跡となります。
わがプロジェクトの目的は、写真とローマ字転写、そして言語・文献学と文化に関する解釈を含む英訳の提示で、トカラ語文書のすべてを、関心を持つ誰にでも利用可能にすることです。文書資料は、文法的ならびに文献学的な、様々な検索オプションを利用いただけるデータベースの形で提示されます。本プロジェクトは、オーストリア科学基金 (FWF) のSTARTログラムにより支援されています。2011年2月開始され、予定実施期間は6年間です。
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